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中江 延男
PNC TN1102 97-013, 45 Pages, 1997/07
FBR燃料の設計と照射実績について議論を始めるわけであるが、この議論は「核分裂エネルギー利用体系においてFBRは必要である」という命題が正しいとの前提に立つものである。ここでは、当然この命題が正しいことを前提にして議論を進めるが、正しいと考える論拠を多少述べてみたい。まず、核分裂エネルギー利用体系において、open cycle(ワンス・スルー)とclosed cycle(リサイクル)のどちらを選択すべきかについて検討してみる。検討のための前提条件として考えておくべき項目は、例えば、世界人口の増加や生活様式の変化にともなうエネルギー需要の増大とエネルギー安全保障の確保、化石燃料の大量使用による環境への負荷の増大、原子力システム自体の安全性などいろいろあるが、これらを逐一議論することは、この講義テキストの本来の主旨とは異なるのでやめることとする。そして、極めて勝手であるが(但し、良識ある多くの国民の支持を得るであろうと確信しているが)、次の点は正しいと仮定して検討することとしたい。すなわち、「ウラン資源は有限であるが、原子力の利用は必要であり、かつその需要は世界的に増大する」との仮定である。この場合、燃料の燃焼度(600GWd/t以上を達成)および使用済燃料の処分(信頼性の高い処分方法の確立)の技術的課題が解決されれば、システムとして単純なopen cycleを選択すべきである。しかし、この技術的課題を解決する方法が、当分の間は見い出せないであろうため、システムとして多少複雑となるが核燃料をリサイクルするclosed cycleを選択することとなる。closed cycleとした場合、Puの燃焼はもちろんのこと、Np、Am、Cmといったマイナーアクチニド(MA)も効率よく燃焼させることが、環境への負荷を低減する観点から重要である。核分裂エネルギー利用体系では、より多くの中性子が存在し、かつPuやMAがより効率よく燃焼することが必要である。このためには、吸収当りの中性子発生量が大きく、かつ核分裂断面積と捕獲断面積との比(f/c)が大きいことが望まれる。FBRリサイクル路線を選択することにより、有限なウラン資源を効率よく利用することができ、かつ世界的な原子力エネルギー需要の増大に適切に対応することが可能となる。さらに、MAを効率よく燃焼させることも可能となり、環境へ
荒井 康夫; 岩井 孝; 笹山 龍雄; 岡本 芳浩; 塩沢 憲一; 鈴木 康文
JAERI-Research 96-009, 17 Pages, 1996/02
原研-動燃共同研究「高速炉用炭・窒化物燃料の基礎照射試験」に基づき、高速実験炉「常陽」で照射試験を行うためのウラン・プルトニウム混合炭化物燃料ピン1本及び混合窒化物燃料ピン2本を製作した。本報告書は、共同研究の中で、燃料ピンの設計、燃料ペレットの製造、燃料ピンの製作等において、原研が主に担当してきた項目について結果を整理したものである。
荒井 康夫; 岩井 孝; 笹山 龍雄; 中島 邦久; 野村 勇; 吉田 武司; 鈴木 康文
JAERI-Research 94-027, 66 Pages, 1994/11
本報告書は、混合炭化物燃料ペレットを充填したHeボンド型燃料ピンを組み込んだ87F-2Aキャプセルの照射及び照射後試験結果についてまとめたものである。照射はJMTRにおいて平均線出力60kW/mの条件で行い、燃焼度は4.4%FIMAに達した。照射後の燃料ピンには有害な欠陥も無く健全であった。燃料ピンの断面写真からは、燃料ペレットと被覆管の間のギャップが閉塞されていることが確認された。熱安定型ペレットの採用に起因して、従来の燃料と比較して、極めて低い閉気孔率とFPガス放出率、緩やかな組織変化等が観測された。最大で~0.06mmの被覆管の外径増加が観測されたが、燃料ピンの照射健全性に影響するものではなかった。また、被覆管内面の浸炭現象もみとめられなかった。
鈴木 康文; 荒井 康夫; 笹山 龍雄; 前多 厚; 岩井 孝; 大道 敏彦; 半田 宗男
日本原子力学会誌, 34(1), p.66 - 74, 1992/01
被引用回数:1 パーセンタイル:17.24(Nuclear Science & Technology)新型FBR燃料として期待されるウラン・プルトニウム混合炭化物燃料の照射挙動を把握し、その健全性を実証するため、JRR-2およびJMTRを用いた照射試験用の燃料ピン9本を製作した。酸化物を炭素熱還元し、さらに焼結を行うことによって、組成の異なる2種類の燃料、(U,Pu)Cおよび(U,Pu)Cを調製した。これらの炭化物燃料ピンの基本設計、製作手順ならびに確性試験の結果について報告する。製作された燃料ピンのうち、8本については、燃料破損を起こすことなく、42から64kW/mの線出力で照射が完了し、最高で約5at%の燃焼度を達成している。残りの1本の燃料ピンについては、熱安定型ペレットが装荷されており、JMTRで照射継続中である。
荒井 康夫; 鈴木 康文; 笹山 龍雄; 岩井 孝; 関田 憲昭; 大和田 功; 新見 素二; 大道 敏彦
JAERI-M 91-191, 93 Pages, 1991/11
化学量論組成の異なる混合炭化物燃料(U,Pu)C及び(U,Pu)Cペレットをそれぞれ充填した2本の燃料ピンを1体のキャプセル(84F-10A)に組み込み、JMTRにおいてピーク線出力59kw/mの条件で3.0%FIMAまで照射した。約4ヶ月間冷却したのち、照射キャプセルを東海研の燃料試験施設へ搬入して、計37項目の試験を実施した。燃料ピンの断面写真から、当初存在していた燃料ペレットと被覆管の間のギャップが閉塞されていることが確認された。ペレット中心部においては、製造時に存在していた微少な気孔が減少していたほか、周辺部に比較して結晶粒の成長がみとめられた。開気孔率の高い(U,Pu)C燃料ピンの方が、(U,Pu)C燃料ピンに比較して高いFPガス放出率を示した。被覆管内面近傍で浸炭現象がみとめられたが燃料ピンの照射健全性に影響するものではなかった。
前多 厚; 大道 敏彦
JAERI-M 90-185, 19 Pages, 1990/10
高燃焼度を模擬したウラン・プルトニウム混合炭化物燃料の蒸発挙動を、高温質量分析計を用いて、1,723~2,173Kの温度範囲について調べ、模擬FP元素の化学形と蒸発挙動との関連を考察した。プルトニウムの蒸発は亜化学量論的組成の混合炭化物の方が超化学量論的組成の混合炭化物より大きい。Pd,Ba及び希土類元素の蒸発種を観測したが、特徴的な希土類元素の酸化物蒸発種の測定から、この蒸発は炭化物燃料中の不純物酸素との共存相からのものであることを推定した。
荒井 康夫; 大道 敏彦; 福島 奨; 半田 宗男
Journal of Nuclear Materials, 170, p.50 - 56, 1990/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Materials Science, Multidisciplinary)主要固体FP元素の一つであるモリブデンを最高10モル%含むウラン・プルトニウム混合炭化物の熱伝導度を、レーザフラッシュ法で測定した熱拡散率の値より求めた。モリブデンが混合炭化物に固溶限(約3.5モル%)以内では、混合炭化物の熱伝導度はモリブデンの量と共に単調に減少した。一方、固溶限以上のモリブデンを含む混合炭化物の熱伝導度は、実験範囲内ではほぼ一定の値を示した。一部の固溶体試料について電気抵抗を測定し、モリブデン量の増加に伴う熱伝導度の減少は、電子伝導の減少に起因することを見出した。このほか、ウラン、プルトニウム及びモリブデンを含む複合炭化物(U,Pu)MoC及び(U,Pu)MoCの熱伝導度を算出した。
荒井 康夫; 岩井 孝; 前多 厚*; 笹山 龍雄; 塩沢 憲一; 大道 敏彦; 鈴木 康文; 井上 明彦; 福島 奨; 半田 宗男
JAERI-M 89-060, 15 Pages, 1989/05
高速炉用新型燃料の健全性評価の一環として、JMTRを用いたキャプセル照射を行う目的で、ウラン・プルトニウム混合炭化物燃料ピン計5本を製作した。燃料被覆管には外径9.4mmの太径のSUS-316相当ステンレス鋼製を用いるとともに、燃料ペレットには81~86%理論密度の低密度ペレットを採用し、燃料ピン内部空間には1気圧のヘリウムガスを充填した。燃料ペレットについてはその特性を十分把握するとともに、燃料ピンについても気密試験、X線透過試験、溶接部の金相試験、表面汚染度検査等を実施して、その健全性を確認した。
前多 厚; 笹山 龍雄; 岩井 孝; 相沢 作衛; 大和田 功; 相沢 雅夫; 大道 敏彦; 半田 宗男
JAERI-M 88-219, 110 Pages, 1988/11
本報告書は、ウラン・プルトニウム混合炭化物燃料の第1回照射及び照射後試験についてまとめたものである。化学量論組成の異なる混合炭化物燃料ペレットを充填した2本の燃料ピンをキャプセル(ICF-37H)に組み込み、JRR2で照射した。照射後試験は燃料試験施設において実施され、非破壊検査は不活性ガス雰囲気に置換可能なセルで行われた。照射後試験では、燃料ピンの寸法変化、FPガス放出率及び成分組織、気孔分布、フートラジオグラフ、金相をはじめ、多くの検査が行われ、混合炭化物燃料の使用者挙動について多くの知見を得るとともに、1at.%燃焼度までの照射健全性を実証することができた。
荒井 康夫; 岩井 孝; 前多 厚; 笹山 龍雄; 塩沢 憲一; 井上 明彦; 鈴木 康文*; 福島 奨; 大道 敏彦; 半田 宗男
JAERI-M 86-094, 25 Pages, 1986/07
高速炉用新型燃料の健全性評価の一環として、高出力照射試験用のウラン、プルトニウム混合炭化物燃料ピンを製作した。燃料としては化学量論的組織及び超化学量論的組織の太径の低密度混合炭化物ペレットを用いた。また被覆管には米国エネルギ-省より入手した316相当のステンレス鋼を採用した。燃料ペレット、燃料ピンに関して行なった各種試験の結果から、製品は製作仕様に充分合致している事が確認された。
荒井 康夫; 岩井 孝; 塩沢 憲一; 半田 宗男
JAERI-M 85-159, 7 Pages, 1985/10
JMTRでの高燃焼度照射実験に用いるチャンファ型のウラン、プルトニウム混合炭化物ペレットを高純度アルゴン雰囲気グローブボックス中で製造した。ペレットの密度、チャンファ部分の角度等の外形寸法から、ペレット成型用金型の仕様を決定した。チャンファ型ペレットの採用に起因するペレットの欠けや割れは、成型時、焼結時においても見出されなかった。本試験において、照射燃料ピン中で断熱ペレットとして用いるウラン炭化物ペレットも含めて、製造仕様を満足するペレットを製造することができた。
半田 宗男; 鈴木 康文
日本原子力学会誌, 26(1), p.2 - 7, 1984/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)ウラン・プルトニウム(U・Pu)混合炭化物燃料は,混合酸化物に比べて熱伝導度が3~7倍大きく,また核分裂性物質密度が30%高いなど,LMFBR(Liquid Metal Cooled Fast Breeder Reactor)用燃料として優れた特性を有しており,新型燃料として世界各国で開発が進められている。本稿では,はじめに炭化物燃料および同燃料を装荷したLMFBRの特性および経済性について述べ,続いて,同燃料とステンレス鋼被覆材の化学的相互作用(Fuel and Cladding Chemical Interaction,FCCI)および機械的相互作用(Fuel and Cladding Mechanical Interaction,FCMI)などについて,米国の新型燃料開発プログラムで得られた成果を中心に海外の開発現状を紹介する。最後に,日本原子力研究所大洗研究所に設置された燃料研究棟における炭化物燃料の開発現状の概要について述べる。
福島 奨; 阿部 治郎
JAERI-M 8892, 20 Pages, 1980/06
レーザーフラッシュ法による熱拡散率の測定精度は、試料面の平行度に大きく依存する。このためU-Pu炭化物ペレットからの試料作成法を考慮した。この方法では優れた平行面の試料を容易に作成できる。焼結増進のために0.1wt%Niを添加した(U,Pu)Cについて、温度範囲450~160Cでレーザーフラッシュ法によって測定した熱拡散率から熱伝導度を求めた。その結果得られた熱伝導度は、500~1600Cで温度とともにほぼ直線的に増大し、450Cで0.144w/cmC、600Cで0.158w/cmC、1100Cで0.185w/cmC、1600Cで0.212w/cmCであった。この結果は、最近の(U、Pu)Cの熱伝導度の文献推奨値と10%以内で一致した。
福島 奨
JAERI-M 8718, 21 Pages, 1980/03
U-Pu混合炭化物系燃料物質の粉末は空気中においてきわめて不安定である。これらの粉末を空気雰囲気中で変質なくデイフラクトメータによってX線回析するための試料作成法を新たに考案した。本法では不活性ガス雰囲気グローブボックス中で粉末試料を少量のエポキシ系樹脂と混合し、これをX線試料板にモールドする。本法で作成した試料は次のような優れた性能を有している。(1)試料の量が少くてよい(0.2g以下)。(2)空気雰囲気中グローブボックス内のX線回析においてもU-Pu混合炭化物粉末は変質しない。(3)Puが飛散しないのでグローブボックス内のPu汚染が小さい。(4)X線回析の測定精度が高い。
半田 宗男; 前多 厚; 塩沢 憲一
JAERI-M 8414, 11 Pages, 1979/09
水分、酸素の反応を防ぐため、高純度アルゴングローブボックス中で炭化物試料を秤量、スズカプセルに気密圧封する調整法を採用して電量法により炭素を定量した。試料調整法の評価のため、混合炭化物粉末試料のアルゴンおよび大気中放電実験を行った。またブロック試料による分析を試みた。定常分析の結果は18種類の分析において平均標準偏差0.039%変動係数0.65%であった。
半田 宗男; 前多 厚; 矢幡 胤昭
JAERI-M 8406, 12 Pages, 1979/08
分析前の試料の酸素汚染を最小限に抑えることができる新試料調整法を開発した。酸素の定量は不活性ガス融解-電量法により行った。三種類のウランプルトニウム混合炭化物について粉砕に伴う酸素汚染、酸素汚染を差引いた眞の酸素含有値、薄片試料を用いたときの酸素の抽出率を測定した。炭素熱還元法で調整した32種類のウラン・プルトニウム混合炭化物中の酸素の定常分析を変動係数の平均値1.6%の高精度で行うことができた。